内科治療とその他の治療

 

食事治療と共に内科治療も行われることが多くなっています。症状の出る活動期の内服薬としては、「5-アミノサリチル酸製薬・ペンタサ&サラゾピリン」、「副腎皮質ステロイド」、「免疫調節薬・イムラン」などが主に用いられます。

 

「5-アミノサリチル酸製薬」、「免疫調節薬」についてはクリーン病の症状が改善してきても、再発予防のために継続投与が行われます。こうした内科治療が無効な場合は、「抗TNFα受容体拮抗薬・レミケード&ヒュミラ」を使用します。血球成分除去療法は薬物治療ではありませんが、これも行われることがあります。

 

外科治療が行われるのは、高度の狭窄、穿孔、そして膿瘍などの合併症がある場合で、その際は、腸管を極力温存するための小範囲切除や狭窄形成術などが行われます。また、合併症のうち、狭窄に対しては内視鏡的治療として、狭窄部を拡張する治療が行われる場合があります。

 

実際問題としてクローン病は完治しないので、殆どの患者が、結果的に一度は外科手術が必要になるとされています。これが治療の進歩によって減ってくる可能性を期待したいところです。

 

手術率は発症後5年が33.3%、10年で70.8%となっており、再発予防は非常に重要です。日常生活においては、おなかの調子がいい時期でも、常に食事に注意することが大切です。特に動物性脂肪は炎症を悪化させやすいので意識するようにしてください。また、定期的に内視鏡などの検査を受けるのも大切です。