クローン病の症状

 

この病気の患者数は、1976年には128人(特定疾患医療受給者証の交付件数)が、平成2013年度には39,799人と顕著な増加がみられます。人口10万人あたり27人程度となるわけですが、それでも米国ではそれが200人程度もいるので、日本は少ない方なのです。

 

全体的に10歳代~20歳代の若者に好発し、男性の発症年齢は20~24歳、女性では15~19歳が最も多くなっています。男女比は、約2:1で男性が多くなっています。

 

いずれにしても衛生環境や食生活の影響が大きく、動物性脂肪、タンパク質を多く摂り、生活水準が高い方がクローン病にかかりやすいことになりそうです。つまり、食餌因子など環境的な因子が関係していると考えられ、食生活の欧米化は恐らく関係しているとされているのです。

 

クローン病になる部位として多いのは小腸、回盲部、肛門周囲です。病変部位別では、小腸だけに病変のある「小腸型」、大腸だけに病変のある「大腸型」、両方とも病変のある「小腸・大腸型」に分類され、中でも「小腸・大腸型」が多くなっています。

 

さて症状ですが、クローン病の場合の症状は患者にいろいろです。侵される病変部位によっても違ってきます。中でも特徴的なのは、腹痛と下痢です。これは半数以上の患者にみられます。発熱、下血、体重減少、全身倦怠感、腹部腫瘤、貧血などもしばしば現れます。

 

更にクローン病は、瘻孔、膿瘍、狭窄などの腸管合併症、関節炎、結節性紅斑、虹彩炎、肛門部病変など腸管外合併症も多くなっています。潰瘍性大腸炎で多い血便はあまり多くはありません。腸閉塞や消化管穿孔を生じる場合は、消化管腸切除等の外科的処置が必要になることも多いようです。