クローン病の基礎知識

 

クローン病は、主に口腔から肛門までいわゆる全消化管を対象に、非連続性の慢性肉芽腫性炎症を起こす炎症性疾患で、現在の時点では原因不明であり、厚生労働省からり特定疾患に指定されている疾患です。分類としては炎症性腸疾患に分類され、潰瘍性大腸炎といっしょです。

 

炎症性腸疾患は、主に消化管に原因不明の炎症をおこす慢性疾患の総称となっており、潰瘍性大腸炎とクローン病の2疾患が当てはまります。

 

「クローン」と言う疾病名は報告者名が由来で、DNA・細胞・生体などのコピー「クローン・Clone」とは関係ありません。最初は限局性回腸炎として報告され、それは1932年にニューヨーク大学・マウントサイナイ病院によってのものです。

 

クローン病が多いのは10~20歳ということで、日本でも罹患者数は約7万人以上います。ただし、潰瘍性大腸炎より患者数は少なく、また、中高年ではほとんど発症しないのが特徴です。

 

発症リスクについては、経口避妊薬常用者が1.9倍、喫煙者が1.8倍の発症リスクが増します。受動喫煙については子供時代にさらされると2.0倍にリスクが増すとされています。大きなストレスも発症因子となります。

 

全消化管を対象としているのがクローン病の大きなポイントであり、まずは消化器官について理解しておくことが、クローン病を理解することにもつながります。